2011年11月19日土曜日

「将軍杉・落書庵」

日本一の巨木「将軍杉」

将軍杉は、環境省自然環境局生物多様性センターが平成13年10月に12年ぶりにまとめた「巨樹・巨木林フォローアップ調査」の結果、鹿児島県屋久島の「縄文杉」を抜いて日本一となった杉の木です。
樹齢(推定)1,400年、高さ38メートル、幹周19.31メートル、国指定の天然記念物に指定されており、人々が尊敬と親しみを込めて「将軍さま」と呼んできた木です。
その名は、この地で晩年を過ごした平安時代の鎮守府将軍・平維茂(たいらのこれもち)の墓碑がかたわらに建てられた事に由来しています。
「祖先が守り通してきた将軍様を我々の代で無くしてはならない。」村人の将軍杉への信仰は“その昔、この杉を切り船を造ろうと計画したところ、一夜にして地面に沈み込んでしまった”という伝説からも感じ取ることができます。
代々にわたり巨木をご神木として奉り、自然をうやまってきた村人の温かい想いが、今もなお“巨木の里”を守り育てています。

平成14年7月吉日 三川村長 神田 敏郎


《 巨木の里入り口 》


《 将軍杉 》



「落書庵」

薬師堂内には戦国から江戸時代の落書が多数残されている。
信仰のために参籠した人々の落書きのほか、上杉謙信の死後戦いに敗れた会津の武士が追手を逃れてしばしの安息を得る為、ここに身を寄せて書き残したものなどである。
これらの落書きは当時の世相、事件を生々しく伝えている。
また、武士の鑑とされた将軍維茂の墓を含むこの境内は、薬師の霊場として戦争でも敵味方ともに手出しのできないこの地方随一の聖域であった。
国指定の天然記念物で、日本一の巨木「将軍杉」も「余吾将軍維茂墓」を優しく見守っている。
阿賀町(旧三川村)ではこれらの文化財保護と「ゆとりとうるおいのある観光」を目指し、参詣者が古(いにしえ)の時代を偲び、落書きを楽しみながら一時のやすらぎを得る憩いの場として「落書庵」を建てた。
落書庵には、合唱組曲「阿賀野川」の作詩・山本和夫氏、作曲・岩河三郎氏、初演当時三川中学校の教諭であった岩崎正法氏の“落書き”も残されている。


《 落書庵 》


《 落書コンクール入選作品 》


《 山本 和夫 作 》


《 岩河 三郎 作 》


《 岩崎 正法 作 》


「巨木の里」所在地
新潟県東蒲原郡阿賀町岩谷 Google マップ