2012年1月25日水曜日

「山岸 青里 インタビュー」

2011年12月――。
街はクリスマスムードが高まる中、三川中学校の音楽室から「遠い日の歌」を練習する3年生の歌声が響いてきた。
その中心でピアノを奏でるのは、今年で7年目の山岸青里先生だ。
三川中学校音楽教諭として、6年間という長きに渡り合唱組曲「阿賀野川」を教えている。
毎年どのように指導にあたっているのか、「阿賀野川」に対するその想いを伺った。



生徒が精一杯歌っていることが、伝わっていけばいいなぁと思います。


――山岸先生が初めて合唱組曲「阿賀野川」と出会った時のことを教えてください。

今から7年前になるんですけど、国語の教師として三川中学校に赴任しました。
もともと専門は音楽なんですけどね。
その時に、当時の音楽の櫻庭先生から“生徒と一緒に「阿賀野川」を歌いませんか?”と何度もお誘いいただいたので、“じゃあ、歌ってみようかな”と思い一緒に歌い始めました。
実際に歌ってみたら、まあ素敵な曲で!
本当にメロディーが綺麗ですね。
「言葉」と「曲の背景」と「音楽」がすごく一体となっている。
スケールが大きくて、ピアノと合唱と言うよりもオーケストラで演奏しているようなイメージがありますね。
歌っていても本当に楽しいです。


――最初は生徒さんと一緒に歌ってたんですね~。
それから授業を受け持つように?

翌年に櫻庭先生は転勤されたので、その後を私が引き継ぐかたちとなりました。
生徒も、当時の3年生を中心にみんな熱心でしたし、私も「その年なりに一番いいものを創り上げられたらいいなぁ」と思って。
生徒たちの熱心さに助けられたって感じですね~。


――記念すべき20周年目の「歌いつぐ会」はいかがでしたか?

今年の3年生は特に“20周年は自分たちが背負うんだ!絶対成功させるんだ!”と、すっごい気合が入ってました。
4月の第1回目の「阿賀野川」練習の時から、本気で歌ってくれて。
逆に心配になりましたね(笑)。
“このテンションが10月の発表会まで持つのか?”って(笑)。


――確かに「歌いつぐ会」本番の時、特に3年生の気合は伝わってきましたね~。
一生懸命でした。

そうですね。
第19回目の「歌いつぐ会」が終わった瞬間から“来年は20周年!自分たちの番だ!”って、気持ちを切り替えていましたね。


――授業での練習はどのようにされているのですか?

「何時間目はこういうふうにやる」というような練習の進め方は、はっきりとは決めていないんです。
その子たちの様子を見ながら組み立てていくようにしています。
リーダータイプの子がしっかりしている学年なら、パート練習をたくさん取り入れて自分たちで解決していけるようにしたり。
毎年進め方は違うんです。
私も生徒も「その年の『阿賀野川』がこれまでで一番良かった。」って思えるように創り上げていきたいなぁと考えています。
聴いてくださる方にとっては、保護者の方にしても、きっと前のお子さんの時のイメージとかがあると思うんですけれども。
どれが本物とか、そういうことじゃなくて、その年その年で、生徒たちが精一杯歌ってるっていうことが伝わっていけばいいなぁと思っています。


――山岸先生にとって、阿賀野川とは?

生徒の素晴らしい面を見せてくれる大事なものだなぁって思います。
「阿賀野川」を歌っていく中で、“この子がこんなに変わってくれるんだ”っていうのが3年間で見られたりするんですよ。
他の学校でもこんな素晴らしい曲はないわけですしね。
確か今、小学1年生か2年生に、初演を歌われた卒業生のお子さんがいらっしゃるとかで。
親子二代で歌える日も遠くないので、楽しみですね。



山岸 青里
1978年生まれ
新潟県西蒲原郡弥彦村出身
音楽教諭 専門はピアノ
2005年より三川中学校に勤務