2012年1月18日水曜日

「皆川 祐也 インタビュー」

合唱×ROCK「阿賀野川」プロジェクトリーダーであるミナガワトオルの同級生。
中学を卒業後、三川村混声合唱団(現阿賀野川混声合唱団)へ正式に入団し、現在最年少ながらも最も長く「阿賀野川」を歌っている一人。
“当たり前のことを当たり前にやってる感じ”と、気取らない姿勢でインタビューに応えてくれた。



とにかく歌い継ぐことって大事でね。
「継続は力なり」とはこのこと。



――最初に「阿賀野川」を聴いた時、どのように感じましたか?

私が中学1年になる頃には、もうすでに2、3年生らによって歌われていました。
その時は、“これは2、3年生だけが歌うものなんだな”としか思っていませんでしたね。
初演でも私達はステージで「阿賀野川」を歌ってるわけではないんです。
でも確か前座で何か歌ったなぁ、2曲ぐらい。
何を歌ったかまでは、全然覚えてない(笑)。
私達1年生の「阿賀野川」練習がようやく始まったのは、初演の後からだったかなぁ。
そのあたりからですね、“次は自分たちが引き継いで歌うんだ”という意識に変わったのは。
3年生が卒業してしまったら、次は2年生と私達しかいませんからね。


――音楽の授業ではどんな思い出がありますか?

音楽の授業は、合唱しかやってないんですよね~。
他のこと、例えば楽器に触れてみたり、音楽の歴史を学んだりってのがなかった。
普通の学校の授業とは違ってたんだってことを知るのは、だいぶ後になってからですけど(笑)。
当時は、「音楽の授業=(イコール)合唱」だと思ってました。


――「阿賀野川」以外にもどんな合唱曲を歌ったのですか?

そうですね。
「十字架(クルス)の島」、「海に沈んだ馬」など、岩河先生作曲の歌もいろいろ歌いましたけど…。
でも特に印象深いのは、重奏(※1)でやった「いざ起て戦人よ」(※2)かな。
2年の時に同級生の男子4人だけでBSNのコンクールに出たんです。
その中には徹(ミナガワトオル氏)もいたんですよ。
コンクール前夜、先生と4人のメンバーとで集まって、私の家の車庫で練習をしたんですよ。
そして、次の日(本番の日)の早朝も、4人で電車に乗って会場へ向かってね。
途中、先生と合流するってことで、新関駅で降りて…。
そこでも練習が始まりましたね。
そんなふうに一生懸命練習したんだけど、コンクール「重奏の部」にエントリーしてるのが三川中学校だけっていう…(笑)。
忘れられない思い出ですね~(笑)。



――皆川さんは中学校卒業後も合唱団に在籍し、今日まで「阿賀野川」を歌われてきたわけですが。

そうです、長いですね。
入団したての頃は、まだ他にも同級生、それこそ徹とかも合唱団にいたんですが。
高校生になるとなかなか練習に参加できなくなっていって。
一人辞め…二人辞め…、とだんだん人数が減っていきました。
だから私も、いつ辞めても不思議じゃなかったのかもね、今思えば。
それが、気付いたらこれだけ長い期間歌い続けることになってた。
人生の半分以上は合唱団にいることになっちゃってる(笑)。
だから(練習がある)毎週金曜日は「合唱の日」というように、もはや私の生活の一部となってます。


――ベテランですね。合唱団での今後の目標や夢などありますか?

うーん、そんな大そうなこと考えたことなかったからねぇ~。
特に大きな会場で歌いたいとか、そういうんじゃなくって。
ただ、当たり前のことを当たり前にやってる感じだから。
とにかく歌い継ぐことって大事でね。
「継続は力なり」とはこのことですね。


――さて話は変わりますが、今年の夏、新潟・福島豪雨を体験していかがでしたか?

夏の水害はすごかったです。
幸いにも犠牲者は出ませんでしたが、昭和42年の羽越水害よりも酷かったと聞きますね。
自宅の30~40メートル先まで川が増水してましたし、阿賀町役場三川支所なんかも1階が全部冠水しました。
特に被害の大きかったのは、吉津地区と谷沢地区なんですが。
私は吉津地区の復旧作業を手伝いに行きました。
縁の下に詰まった泥をかき出そうにも、水を含んでるから重くって。
そして臭いもきつい…、ホントに大変でした…。
また、谷沢地区にある谷花小学校で私達合唱団は練習をしていましたが、水害があってからは1ヶ月間活動ができませんでした。
…今年は3月に地震があって、津波による水害だったり、とにかく災害の多い年で。
それに加えて、合唱組曲「阿賀野川」が20周年という節目を迎えたってことで。
合唱団もそうですし三川中学校の生徒さん達も、やはり今年は特別な想いがありますね~。



皆川 祐也
1978年生まれ
平成5年度三川中学校卒業生
元三川中学校生徒会長
阿賀野川混声合唱団に所属
パート:バス


(※1)重奏
複数の人が同時に演奏を行うアンサンブルのうち、各パートを一人ずつ演奏するもの。
少なくとも二人以上が同じ演奏をしているならば「合唱」と呼ばれる。

(※2)「いざ起て戦人よ」
作曲:James McGranahan、日本語歌詞の作詞:藤井 奏一郎による合唱曲。
原曲は、1911年に出版された「The Song of the Soldier」作詞:Daniel W Whittle。