2012年1月9日月曜日

「本間 一弘 インタビュー」

合唱組曲「阿賀野川」が初演された翌年に三川村混声合唱団(現阿賀野川混声合唱団)は結成された。
母なる阿賀野川のふもと、四季折々に変わるその姿に大自然の偉大さを感じながら、大切に歌い継いできたという。
去る12月4日、阿賀町みかわ会館で行われた演奏会の終了後に、合唱団メンバーからお話を伺うことができた。




合唱っていうのは一人ではないからね。
大勢で心をひとつにして歌うのは気持ちいいです。



――合唱組曲「阿賀野川」を最初聴いた時、いかがでしたか?

最初聴いた時の印象ってよりも、私が合唱団に入ってからの印象の方が強いです。
「阿賀野川」を歌いつぐ会で中学生と一緒に歌った時の感動は忘れられません。
中学生の歌声なんかも、その年ごとによって違うからね。
それぞれの年にしか出せない良さがありますよね。


――阿賀野川混声合唱団に加入したきっかけは何だったのですか?

最初は、女房の方が先に一人で行ってたんですよ。
だから仕事へはね、いつもは車で一緒に出勤するんだけど…。
練習のある金曜日は朝車2台で(仕事に)行って、終わると私は家へ帰るし、女房は三川へ行く、というような生活だった。
練習やミーティングが長引いたりすると帰りも遅くなるでしょ。
土手から下に落っこちてないかな、とか心配で(笑)。


――へぇ。いいですね、ご夫婦一緒に参加されて。
ご自宅でも合唱のことを話し合ったり、練習などもされるんですか?


いや、それはない(笑)。
でもね、合唱に行くこと自体、俗世間から離れるような感覚ですね。
普段の生活というか、現実とは違う空間に踏み入れる感じかな。
そこまで自分の気持ちを持っていくっていうのも、疲れているとなかなか大変なんだけどね。
歌ってる時なんかは、仕事のこともいろんな嫌なことも忘れられるからいいですね。
特別な時間ですよね。
練習はやっぱり、楽しいです!
人と人との繋がりもできるし。
合唱っていうのは一人ではないからね。
大勢で心をひとつにして歌うのは気持ちいいです。


《 発表演奏会の様子(12月4日 阿賀町みかわ会館) 》


――今日の発表会を終えられて、いかがでしたか?

聴きに来てくれたお客さんの顔ぶれが新鮮でしたね。
今日は特にそれを感じました。
真剣に耳を傾けてくれているのが、ステージからもよく見えて。
“あぁ、やっぱりこっちも一生懸命歌わないといけないな”と改めて思いました。
第三曲「羽越大災害」や第四曲「悲歌」は羽越水害がテーマとなってますよね。
実際に水害を体験した人は当時のことを思い出して聴いてくださってるんだろうね。
歌ってる方としては、思い出してその想いに耽(ふけ)ると歌が疎かになるから、必死にこう堪えてます。


――今後の目標などはありますか?

そうだねぇ。
もうちょっとレベルアップ(笑)。
…したいんだけど、なかなか難しいなぁ(笑)。
でもね、これは和久井先生が以前言ってたんだけど。
私たちの合唱団は“本番に強い”って(笑)。
本番になると力を発揮するみたいだね。
ただ歌うだけじゃなくって、言葉をちゃんと語ろう、届けようという想いがないといけません。
今日の発表会の時は、みんなそういう意識でやってるなって、私も歌いながら確かに感じましたね。
これがいつもできるようになれば、言うことないね(笑)。


――本日はおつかれさまでした。そして、ご協力ありがとうございました。



本間 一弘
1945年生まれ
新潟県新潟市江南区出身
新潟市内にて自営業を営んでいる
阿賀野川混声合唱団には1998年に加入
パート:テノール