2011年10月22日土曜日

「第20回 合唱組曲『阿賀野川』を歌いつぐ会」

第20回 合唱組曲「阿賀野川」を歌いつぐ会が10月22日(土)、阿賀町文化福祉会館で開かれ、プロジェクトアーティストからは葉月みなみと三川中学校卒業生でもあるミナガワトオルが訪れた。

《 阿賀町文化福祉会館 》
  

 













《三川中学校生徒による手書きメッセージボード 》

















本番直前に実行委員長(3年)阿部大輔君と、副実行委員長(3年)阿部由梨江さんにお話を伺うことができた。

――いよいよもうすぐ本番ですが、練習で大変だったことはありますか?

阿部大輔君(以下、大):歌ってる時に動いて(身体を使って)表現するところがあるんですけど、男子の動きがなかなか合わなくて、その練習が大変でしたね。
阿部由梨江さん(以下、由):あと、表情です。表情豊かに歌うこと、例えば笑顔で歌ったりする切り替えが難しかったです。

――詩の勉強もされたのですか?

由:はい、詩の意味を理解する事は一番最初、1年生の頃にやりました。
大:「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」とか。それと、(羽越水害の)石碑も見に行きました。

――なるほど。それで曲の世界に入り込めるわけですね。では、本番に向けて一言お願いします。

大:今、とても緊張しているんですけど、悔いの残らないように精一杯頑張りたいと思います!
由:会場にいるみなさんを元気付け、笑顔になっていただけるような歌を歌う為に、全員で頑張ります!

















開会の挨拶では生徒会長(3年)五十嵐賢吾君が次のように語った。
本番に向け練習を積み重ねていく中、私たちは東日本大震災、新潟・福島豪雨という大自然の脅威を身をもって経験しました。
今回の経験を通して改めてこの組曲と向き合った時、これはまさに“希望の歌なのだ”と感じました。
私たちの想いが、みなさんに届きますように、今日は全員で精一杯心を込めて歌います――。

















今年のスローガンは「届けよう 希望の歌 ~20年分の思いとともに~」。
三川中学校全校生徒と教職員、阿賀野川混声合唱団とが一丸となって歌い上げ、来場した多くの観客を魅了した。
まず、阿賀野川混声合唱団による演奏発表で幕が開く。
そして本編。
合唱組曲「阿賀野川」は全5曲、約28分の物語である。
ふるさと三川の美しい情景描写から合唱は始まり、突然襲い掛った羽越水害、家族や友を失った深い悲しみへと進み、5曲目「光にむかって」で羽越水害の悲劇から立ち上がる村人のたくましい姿が描かれている。
今年は東日本大震災、新潟・福島豪雨という未曽有の災害の経験から、歌い継ぐ事への気持ちが一層強く表れていた。































ミナガワトオルは、久しぶりに聴く「阿賀野川」の演奏発表を、20年前の自分と照らし合わせていた。
「とても感動しました。
歌い継いで20周年…。
口で言うのは簡単だけれど、実際に毎年歌っている中学生や合唱団、それを支えている関係者の方々…。
みなさんの努力があってこそだと思います。
今よりもっと阿賀町全体で盛り上げて、これから20年、30年と歌い継いでいって欲しいと思います。」
と感想を述べた。
また、CDは何度も聴いていた葉月みなみだが、実際生の歌声を聴くのは今回が初めてだった。
「一生懸命歌う生徒さんの歌声や姿、また組曲に対するその姿勢に心を打たれました。
あたたかい気持ちになりました。
また来年も聴きたい!
私自身もとても勉強させていただきました。」
と、合唱×ROCK「阿賀野川」プロジェクトに対しての意気込みを見せた。