2012年2月27日月曜日

「柾木 健 インタビュー」

合唱組曲「阿賀野川」は、平成3年の初演発表会から三川中学校の生徒らによって、長きに渡り歌い継がれてきた。
それはまさに「先輩から後輩へ」と、20年分の伝統を積み重ねてきた、いわば歴史そのもの、財産である。
ともに学び、ともに歌い、お互いの成長を競い合って中学校生活3年間を過ごした彼らの共通言語は、今でも「阿賀野川」なのだ。
平成3年度から現在に至るまで、卒業生のインタビューをシリーズで掲載する。




――中学生当時、合唱組曲「阿賀野川」を歌ってみていかがでしたか?

あの当時は、音楽の授業と言えばとにかく「阿賀野川」ばっかりでした。
まぁ、それでもやっぱり1年、2年と歌っている間に歌詞の意味がよくわかってきて…。
そのおかげで、歌ってる中での感情の込め方っていうのも変わってきましたね。
だから最初はとりあえず必死に覚えて、ただ歌ってればいいかなっていう感じの始まりでした。
ひと通り歌えるようになって、あとからしっかり感情を込めるという。
小学校ではアカペラの合唱で発表会とかも出てたんです。
昔から歌が好きなのも、小学校でやってたからなんでしょうね。
だから「阿賀野川」も頑張って取り組んでましたね~。


――中学時代はどんな思い出がありますか?

たぶん3年生の時に、新潟市音楽文化会館だったと思うんですけど。
中学校や三川村(現阿賀町)の外に出て、大勢の人の前で歌うというのは初めてのことでしたね。
本番前に会場の外で1時間以上発声練習をしたんですけど、ホント外ですよ控室とかじゃなくって、青空の下(笑)。
その時の音出し役をやったのが私でした。
今みたいに機械なんかなかったからね。
例えば、私が「ド」の音で「あーーー♪」って歌うと、みんなもそれに合わせて音程を取る。
私が一番音感があると言われて、その役を任されたんです。
本番のことはと言うと、緊張もしてたし、もう集中して歌ったので今となってはあんまり覚えてません(笑)。
でも歌った後の満足感はよく覚えてますけどね。


――20年間歌い継がれてきたことについてお聞きしたいんですが。

よく20年間歌ってきたなぁと思います。
歌い継ぐことに関しては、毎年同じような力の入れ方でやってきたんじゃないかなぁ。
機会があれば私も歌えるはずなので、ぜひまた歌ってみたいと思います。
コンサートがあった時に、最後全員合唱で第二曲「ふるさとの将軍杉」を歌うんですが。
やっぱり楽譜がなくても、自分のパートは歌えます。
身体に染み込んでますよね~。
絶やすことなくっていうのは大変なことかもしれませんが、この先も長く歌われ続けて欲しいです。
自分たちも「阿賀野川」に強い思い入れもありますので。
もう「合唱と言えば『阿賀野川』」、「音楽と言えば『阿賀野川』」ですからね(笑)。
大事な歌です。
うちの娘も今小学校3年生だから、あと数年もすれば学校で歌います。
でも、実はもう全曲歌えるんですよ。
5年ぐらい前から、私の母と一緒に合唱団の練習に付いて行ってるので。
耳が良いみたいで、各パートのメロディーを聴き分けられるんです。
親(母)、子(自分)、孫(娘)の三世代でこの「阿賀野川」を歌えますね(笑)。


――思い入れの深い1曲を選ぶとしたら?

実際私が歌ってた頃は、第三曲「羽越大災害」を大切に感じてました。
水害のことが歌詞の中に一番多く出てくるし、歌っててイメージが伝わってくるのもやっぱりこの歌かなと。
組曲自体が羽越水害をテーマとしているので、核となる曲は「羽越大災害」かなと思っていました。
でも今は、そうじゃないなと。
今は第四曲「悲歌」が一番いいですね。
聴いてても、詩を読んでみてもしみじみと思います。
昨年、地震や水害のニュースを見ながら居たたまれなくなりました。
やっぱりそういう辛いことが起こった後、頑張らなくてはいけないっていうのが「悲歌」には込められていて。
それを考えると、この「悲歌」っていいなぁと思うようになりましたね。


――阿賀町で好きなスポットなどありますか?

道の駅「阿賀の里」にある「じぱんぐ」!
いいですね、よく行きます。
買い物もするんですけど、行くと落ち着くんですよね。
ここ2~3年の間、休みの日はよく子供連れて行ってはぷらぷらしてます。
近所にあるんだけどちょっと遠くに来た感じもするし。
実際行くと知ってる人が働いてたり、観光バスを眺めてたり、結構好きな場所ですね。
ひょいと行けるところがいいですね。


――柾木さんにとっての阿賀野川とは、何でしょう?

自分の中で、音楽のベースを作ってくれた感じがしますね。
音楽の授業がそれしかなかったっていうのもあるけど(笑)。
「阿賀野川」で楽譜も読めるようになったし、人前で歌うっていう経験もさせてもらったし。
頑張ってやってきたなぁと思います。
なので今回、今まで歌われてきた合唱組曲「阿賀野川」をロック調にアレンジするという企画には、かなり期待しています(笑)。
自分の知ってる「阿賀野川」が、原型がなくなるくらいまで変わっちゃうのか、またそうじゃないのか…。
その辺が気になってきたりして、これからどういうふうになっていくのかなぁ。
ウェブサイトを頻繁に見て、最新情報もチェックしたいと思います。





柾木 健
1980年生まれ
新潟県東蒲原郡阿賀町(旧三川村)出身
平成6年度三川中学校卒業生
パート:テノール
新潟市秋葉区にて、東京都内で走る通勤電車を作っている
現在1児のパパ